おす、izumiです!日々、遍路で得た筋肉がなくなり、遍路で失った脂肪を体が取り戻すのを感じています。自然の摂理!
それでは、高知の第2のロングウォークポイント、足摺岬へ向かう道の2日目を見てみましょう~!
れっつらGO☆
当たらない天気予報
前日泊まった「土佐ユートピアカントリークラブ」を朝7時に出発し(Mさんと、もう1人逆打ちのおじさんと3人でした)道の駅に到着。道の駅で朝ごはんのパンを2個買って、昨日通った国道56号線ではなく、道の駅から裏の自然公園を通った方が近道とのことでその道を行く。
緑のポイントが道の駅ビオスおおがた。赤い線が国道56号を行くルート。
ちょっと見えにくいけど、グレーの線が自然公園の中を行くルート。でも今Googleマップのルート検索で見たら、時間たいして変わんなかった…でも公園の中は木が多くて気持ちよかったからいっか。
前日、そして朝のテレビの天気予報ではこの日は「曇りのち雨」…えっと
ル~ルルッルルッル~♪ 今日もいい天気~♪
もう天気予報が全然信じられない…天気予報のお姉さんの顔が憎らしくなる高知です。(でもこの後はすぐ曇りにはなった。結局1日雨は降らなかったけども)
道の駅の裏のこーんな気持ちいい道を歩く朝7時半。最高だね!
自然公園の中。ちょっと迷路っぽくなってるので注意。私はGoogleマップ見ながら行ったから大丈夫だったけど、私より先に出発した修験道おじさんMさんはまんまと迷い、けっこう遠回りしたらしい。
写真ではすごく気持ちよく見えますが、前日に引き続きものすごい湿気。「曇りのち雨」の天気予報は当たらなかったんですが、朝のテレビで「湿度97%」と言ってて、外に出て「97%と言わずもう100%と言わんかい!」って思うほどの湿気でした。もうずっと顔ビチョビチョ。
その後ものどかな田舎道を歩きます。車もほとんどなく、ゆるやかな山道を一人でずーっと歩く。暇だから音楽をかけて大声で歌ったりしてると、たまに農家の人とかがいてけっこう恥ずかしい…
写真じゃ伝わりにくいけど、カラフルな花がたくさん咲いている美しい交差点。車も歩行者もいない交差点はまるで自動車教習所のようだ…
四万十大橋と大文字山
高知の有名な川と言えば四万十川!この日はついに四万十川を渡る日だったのだが、四万十川を渡るには方法が2つある。
画像が暗くてすみません…へんろみち保存協力会の公式地図です。右から左に移動します。
1つは河口から少し上流にある「四万十大橋」を普通に歩いて渡る方法。そしてもう一つが、歩き遍路が使っても唯一「ズルした」とされない方法、渡し船を使って渡る方法だ!そりゃー渡し船乗りたいよなぁ!誰でもそうしたいよなぁ!!
しかし上の公式地図を見てもらえば分かるように、状況により運行していないことがあるらしい…というか、私が先人のブログを見る限り、下田の渡しに乗って移動できた人すっごい少ない!!!…けっこう皆断られてるね。渡しの人のやる気がない天気によって左右されやすいのかな…
私もこの日の朝ダメ元で電話(しかし公式地図に携帯番号載せてるってすごいな…イタ電とか来ない?)したものの、前日の雨で水が増えてるとのことであえなく却下…くっそ~!
というわけで普通に四万十大橋を渡りました。
これが四万十大橋だ!…確かにデカいけど、もう今までもっと大きな大橋も渡ってきてたので大して感動もない← (天気のせいもあるかも)
これは何だ、なんの魚なんだろう?
えー普通にボート行けてるじゃん…みたいな。雨も降らなかったし、渡し行けたんじゃないの…?みたいな。未練がましい。
その後は四万十川に沿って少し歩き
左のこれ、海じゃなくて四万十川ね。ま、ほぼ河口だから海に近いけど。
相変わらずの廃墟に心躍らせたり
お!廃墟か?廃墟か??
廃墟だぁ!お食事・喫茶の山八、潰れております。入り口の簾のれんが時代を感じさせる…
出たレスト!その名も「レスト喫茶 大文字」…あれ?
電気ついてる!レスト喫茶大文字、なんと営業中でした!客はまったくいないみたいだけど…
ちなみになぜこの喫茶店が「大文字」という名前なのかというと…
大文字焼きがすぐ裏の山にあるから!!
でもすんごい小っちゃいんだけどね…
こういう謂れがあるんだそうな。しかし規模が小さすぎて、余計さみしくなんなかったのかなー…なんて。
長ーいトンネルでカラオケ…
また少し山の中に入る道を歩いて、やってきました。先人達のブログにも出てきた長い長ーいトンネル。その名も新伊豆田トンネル!
これが1620mの入り口です!覚悟はいいのかお前らぁ!!
どうして「新」伊豆田トンネルかというと、以前は「旧」トンネルがあったからそうなんです。今調べて知りました。(詳しくはこちら)
1620m、つまり1.6km。時速5kmで歩くとしても15分はかかります。今まで持ってきたけど一度も使わなかったヘッドランプを頭にセットして、いざ行かん!!
汗と湿気でベチョベチョ…しかし湿気のあるトンネルって怖さが増すよなぁ…
実は私、意外に思われるかもしれませんがけっこう怖がりでして、トンネルももちろん怖いです。なのでこれまでもトンネルを通るときは怖くないように、iPhoneに入れてある軽快な音楽をかけながら一緒に大声で歌ってやり過ごしてきたのですが…
この新伊豆田トンネルを歌いながら歩き始めて5分とたたないうちに吐き気が…けっこう交通量の多いトンネルなので、排気ガスをもろに吸っちゃってたみたいです。なので歌うのは中止。でも怖いので、音楽はかけながら(iPhoneを耳元に持って聞く)手ぬぐいで口を覆いながらひたすら前だけを見て歩きました。ヘッドランプ大活躍!!
トンネルの途中にあった非常口のサイン。非常口つーか、もうそれ単に出口な…
カフェLUCEで久百々に怯える
長い長いトンネルを出るとそこは…まだ高知ですもちろん。でもこのトンネルを出てすぐのところに「カフェダイニングLUCE」という名前のレストランがあるとへんろみち保存協力会の地図に書いてあったので、ちょうどお腹がすいてきた私はそのレストランでお昼を食べようと、しかも名前から推測するになんとなくイタリアンレストランっぽいじゃあないか!(LUCEはイタリア語で「光」)と期待に胸を膨らませながらトンネルを歩いていたわけでございます…
トンネルを出て、地図に「カフェLUCE」があるはずの場所に来るが…
なんだこりゃ!!ドライブイン水車?全然ちげー!しかも思いっきり廃業してるし…
期待していた分失望が大きかったが、仕方がないので自動販売機でアイスクリームでも買って食べながら先に進もうとしたところ…
カフェダイニング・ルーチェ発見!ちょっと奥まった場所にあったから全然見えなかった。
もうアイスクリーム買っちゃったけど、せっかくだし入店する。店内もすごくきれい!できて間もないみたい。もしかしたら、ドライブイン水車の人がそのまま新しく建ててこっちでやってるだけだったりして…
お遍路中こんなきれいでオシャレなお店に入るのは珍しい。トイレがきれいで嬉しい!
店内から見た外の風景。テラスなんてオシャレなものまである!遍路の笠と合わない!
メニューは特にイタリアンってわけじゃなかったです。でもカレー美味しかった!
ご飯を食べながら、この日の朝に電話して予約した今日の宿をもう一度ネットでチェックする。事前に旅の計画を立てた時、場所的に「民宿いさりび」と「民宿久百々(くもも)」のどちらかがいいと思っていたのだが、この何日か前に誰かから、この辺の民宿はお遍路さんだけでなく釣りをしに来た人もたくさん泊まるので、魚の臭いがする場合がある…と教えてもらった。
それで「いさりび」という名前はいかにも漁師っぽいし、「久百々」は女将さんが取り仕切っているとネットで見たので、なんとなく女性が運営している宿の方がきれいなのではないか…と思い「久百々」の方を予約したのだった。
しかしこの時カレーを食べながら「民宿久百々 遍路 ブログ」の検索結果を見ていた時、衝撃的な文章に出会った…
「きれいではない、ゴキちゃんが出た。」
……ゴキちゃん!!!このページを先に見ておけば久百々を予約することはなかったのに!どうしよう…今から電話して久百々をキャンセルし、いさりびを予約しようか…でも今朝予約してキャンセルするのは悪いし…いさりびに空き部屋があるか分からないし。どうしようどうしよう…
結局、キャンセルする勇気が出ず…いや、勇気がないわけじゃないな。申し訳ない気になってしまい、キャンセルせずにそのまま久百々に泊まることにした。
廃墟、そしてバス停の椅子
美味しいカレーとアイスコーヒーを頂いて、十分休憩できたのでカフェルーチェを出発する。代金を払っているとご主人が「お接待です」と、食パンとヤクルトが入ったビニール袋を下さった。ヤクルト大好物です!!ありがたく頂く…
その後これといったアップダウンのない平らな道を音楽をかけながらテクテク歩く。
なんであんな、バスクリンを入れたような緑になるんだろう??
いい感じの廃墟・レトロ喫茶店もいくつか発見。
喫茶店の名前が「もうひとつの土曜日」ってすごいな。今調べたら、なんか浜田省吾の歌のタイトルらしいです。ファンってこと??
たぶん廃業してる喫茶店カレン。「COFFEE」の字が手描きっぽくていい。
普通の民家なんだけど、古いものを収集しているらしい。こういう古い機械(?)は私も嫌いではない…でも家の前にいっぱい置かれるのは嫌だなぁ。
出た、たこ焼き屋。ほんとに、ほんとーに多いんですよ。そしてほとんどが潰れている…とかいってここまだやってたらどうしよう。
レストハウスJOYFUL。植物も生い茂り、これぞ正しい廃墟!という感じ。しかし年代は若そう…看板のキャラクターもとっとこハム太郎っぽいし、名前も英語だし。割と最近なのかも?
土佐清水のバス停に夢中
しばらく行くと、こんな看板…じゃないか、標識?絵?を発見。
ざまにゆっくり 土佐清水
「ざまに」ってたぶん方言なんだろうけど、まぁ「ゆっくりしてってね」的意味なんだろうなと勝手に推測。しかしこれ、他の市や町の「ウェルカムおらが村」的看板と違って
塀に密生した苔を削り取って描いてあるんですよ!!!
なんちゅー金のかからないウェルカムボードだ…
まぁこれ、市の公式ウェルカム看板じゃないのかもしれないですけど…もしかしたらその辺の小学校が勝手にやっちゃったとか…まぁヤンキーの落書きでないことは確かだ。
しかしこれって、高温多湿の土佐清水だからできることですよ…だって普通、こんなに濃く苔って密生しますか??なんつーかもうずっと、ずーっとベタベタなんですよ。あと塀だけじゃなくて、ちょっとこの辺一日中お日さまが当たんないんだろうなっていう道はもう湿気と苔で平らな滑り台なんですよ。普通に歩いててズルって苔層、いや、こけそうになるんですよ!!
植物もやたら緑だし色が濃いし、デカいし長いし、なんか見たことない種類だし、ちょっと服に触るとすぐトゲトゲのやつがびゃーっと付くし、生命力が強すぎて怖い…なんか、植物に食われそう…
誰もいないので1人でZARDの「負けないで」を大声で歌いながら歩く川沿いの田舎道。お遍路さんなのにうるさくてすいません…
と、小さなバス停を発見。
うん…いやだなぁ。その椅子はいやだなぁ。
だいたいこんな高温多湿なところで、そんな布生地の椅子を外に放置って。絶対座りたくないなぁ…
と思っていたら、次のバス停で
ビニール製だけど、汚れすぎィ!!…やっぱり座りたくないなぁ。
でもさっきのバス停といい、このバス停といい、椅子をわざわざ持ってきてるみたいだし…こんな汚れた椅子なのに、もしかして全然みんな普通に座ったりしてるのかなぁ…
絶対座ってるー!!ちゃんと座るために椅子持ち寄ってるーー!!
きっとあんまりお尻が汚れることを気にしない村人たちなのだろうと理解した。
ついに久百々に到着
民宿久百々には素泊まる予定だったので(夕食朝食なし)久百々の3.5km前くらいにあるローソンに寄って食料をゲットすることに(民宿周辺には何にもありません)。
このローソンに寄った時点でまだ午後1時半くらい。ということは民宿に2時過ぎに着くから、夕食だけだとお腹がすくので軽食・お菓子、それに翌日の朝食と飲み物として1Lのアップルジュースと、翌日の水分補給ドリンクとして1Lのアクエリアスを買ったが…これがめちゃめちゃ重かった!!!(そりゃそうだ)
どう考えても1Lのアクエリアスが余計なんだけど、自販機の500mlアクエリアスって160円なのに、コンビニで1Lのやつ買うと170円なんですよ!安いの!っていうか水分補給用のドリンク代だけでものすごい使ってるからね、ここまででも。だからなるべくコンビニの1Lアクエリアスを買うようにしてたんだけど、この時はこのおそらく3kg近いビニール袋を抱えて(背中には10kgのリュックを背負って)民宿までの道を歩くのが非常に辛かった!何が辛いって足裏!!重さが全て足裏に圧し掛かる…
またこういう時に限って最後の道がけっこうアップダウンのある道で、やっとこの日の目的地、民宿久百々に到着したとき、けっこうすぐ近くにあの最後まで「どっちにしようか」と迷った民宿いさりびもあったんだけど、いさりびの入り口に少し階段があったので、階段のない民宿久百々にしてよかった!と思ったほどでした…
WiFiの看板に歓喜したものの、実際は部屋では全然使えず…ぬか喜びさせないでー( ゚Д゚)
午後2時半に到着。こんなに早く宿に着いたことはなかったのでなんだか変な気分。部屋に案内され、お部屋に用意されていた冷たい麦茶を飲んで一息つき、お風呂も沸いていたので一番風呂に入り、その後はずっと部屋に閉じこもって溜まっていたブログを書いてました。
(ちょうど12日目のブログ書いてた頃。熱中してたら乾燥機のことすっかり忘れて、隣の部屋の修験道おじさん(Mさんとは別の人)にめっちゃ怒鳴られた…そんな怒んなくても普通に言ってくれればいいのに!何だよ!!と思ったけど、このおじちゃんとも次の日めっちゃ仲良くなるのでした。チャンチャン♪)
まとめ
この日は25kmくらいしか歩かなかったので(この先にちょうどいい宿がなく、どうしようもなかった)午後2時半に宿に着いてから時間が余り余ってどうしよう!って感じでした。最後の3.5kmはきつかったけど、宿に着いてからも体が全然疲れてなくて、この時初めて「本当に歩けるようになってるんだな」と実感しました。
まぁこの自信が次の日の地獄につながるんですけれども…それはまた明日のブログで!
これから歩き遍路に出られる方のための注意点
- 「道の駅ビオスおおがた」の後ろから自然公園の道を通っても行けます。夏の暑い日なんかは木陰の道が続くので少しは気持ちいいかも…でもけっこう道が入り組んでて迷子になりやすいので、Googleマップ見ながら行ってね!
- 四万十川を渡るには2つ方法があります(保存協力会の地図にも載ってるけど)が、下田の渡しは少し雨が降ってもダメみたいです。必ず電話をして確認すること…でも私、朝の7時半過ぎに電話したら呼び出し音の後ブチッて切られたから、9時過ぎに電話するのがいいかもです…まだ寝てたのかな…
- 全長1620mの新伊豆田トンネルは、途中かなり暗いです。ヘッドランプがあるとすごい捗るかも!
- トンネル出てすぐ「ドライブイン水車」の廃墟があって、その奥が「カフェダイニングLUCE」です。すごい綺麗だし安くて美味しいのでオススメ!お遍路さんに優しいご主人さんです♪
- 民宿漁火(いさりび)、または久百々(くもも)に泊まる場合、近くにコンビニがないので素泊まりはあまりお勧めしません…私は1日目素泊まったので、3.5km前のローソン土佐清水下ノ加江店から大量の食料を抱えて歩くハメになりました…
以上です!明日はいよいよ高知の西南端、足摺岬へ到達します!甘く見てたけど、甘くなかったヨ!!
ではーアスタルエゴ☆