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四国歩き遍路 女一人旅 in 2016

1978年生まれの38歳、独身。ソウル→バルセロナ在住を経て現在日本に帰国中。2016年9月から念願だったお遍路さんに行ってまいります!うるう年ですが初挑戦なので順打ちで行います。

四国歩き遍路 第20日目(9月29日) 〜足摺岬でHEAT STROKE

おす!やっと20日目です!!

 

今はすでに遍路を終えて家からブログを思い出し思い出し書いているのですが、結願し高野山に行ったのがちょうど40日目だったので、この日はまさに折り返し地点!それも四国の西南端、足摺岬にある金剛福寺を打つ日です。

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四国で一番南にある足摺岬、にある金剛福寺は38番札所です。お寺の番号からしたら88番の半分も行ってないけど、距離的には約半分…たぶん!

 

前日の楽勝DAYとは打って変わって大変な日となってしまったのですが…

 

それでは行ってみよー!ばものっ!!(スぺ語で「レッツゴー」)

 

 

朝の大岐海岸で楳図かずお

この日の予定は、民宿久百々に荷物を置いて、約20kmを歩いて38番金剛福寺を打ち、また同じ道を歩いて久百々に戻り連泊する、というもの。

 

38番金剛福寺から39番延光寺に行くルートは全部で3つか4つあり、35番あたりから歩き遍路の間では「39番をどのルートで打つか?」というのが話題に上ります。

 

一番大変なのは、下のマップの赤い線を行く「月山神社ルート」

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ネットで拾ったどこかの先人のルートなんですが、この先人、別格霊場も行ってるし、山ルートがあるときはほぼ必ず山行くし、野宿してるみたいだし、かなり年季の入った修験道おじさんかも…すげ…

 

この「月山神社ルート」を行くと、足摺岬の西側の海岸沿いからの景色がすごく綺麗だったり、番外霊場月山神社に寄れたりするらしいのだが、距離が長いので途中で1泊しなければならず時間が1日余計にかかる…

 

遍路出発前に家で計画を立てていた時は「やっぱり一生に一回の歩き遍路だから、月山神社ルートから行くかぁ」なんて思っていたが、実際出てみると「楽に行けるなら(そしてそれがズルにならないなら)それが一番!」という考えになり、一番楽に、そして早く行けるルート

 

真念庵打ち戻りルートを行くことにしました。

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足摺岬から久百々まで戻り、翌日は真念庵を通り39番延光寺まで1日で行くルート。

 

早いわ楽だわ、荷物は置いて行けるわ、このルートを選ばないわけがない!

 

ということで、お線香や納札などのお寺グッズ、納経帳、それに飲み物と軽食、レインポンチョだけ持って朝6時半過ぎに久百々を出発!

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軽い荷物に心をウキウキさせながら出発。久百々前の海岸から見える朝日が気持ちいい!

 

足摺岬まで行って帰ってくると40kmだけど、以前すでに40kmは歩いたことあったし(しかもその時は10kgのバックパックを背負って)この時は「足摺岬まではずっと海岸沿いの平らな道」と思っていたので、朝早く出れば、うまくすれば午後3時過ぎには帰ってこれるかも!なんて甘く考えていた…

 

歩いて10分ほどで大岐海岸にぶつかる。海岸沿いを歩いてきたとはいえ、こんなに広くて気持ちのいいビーチは初めてかもしれない!

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写真じゃ分かりづらいけど、きれいな砂浜が広がる大岐ビーチ。サーファーがすでにたくさん海にいた。

 

浜辺に下りる道に「へんろ道→」の標識が。へんろみち保存協力会の地図にも浜辺を通っていく道が書いてあるし、Googleマップに落としてある先人のルートを見ても浜辺を通っていたようだ。

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クシャクシャですいません…大岐海岸のところに赤い点々で示されてる道がへんろ道。

 

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匿名の先人遍路ルートを見てもOki Beachをがっつり通っていらっしゃる。これは行くしかないっ!

 

ということで、気持ちのいい朝日と波の音に誘われるように浜辺へ。砂が入りそうだったのでスニーカーと靴下を脱いで裸足になる…き、気持ちいい!!硬いアスファルトに痛めつけられてきた足裏が、軽い荷物と柔らかな砂浜に喜んでいるのが分かる!

 

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朝日に照らされる海でサーフィンを楽しむ若者たち…なんて平和な光景なんだ…

 

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起きたてでちょっと顔が浮腫んでるけど、ルンルン気分でセルフィー。この後に待ち受けている地獄も知らず…

 

大岐海岸はゴミもけっこうあってそんなにすごくすごく綺麗な海岸ではなかったけど、それでも久しぶりの「バケーション感」を楽しみました。ところが…海岸の終わりに近づくにつれどんどん不安になる。それというのも…出口が分からない…どうやって出るんだここ…

 

公式地図を見ると、まっすぐ進むとどうやら出口があるみたい…でも実際は植物が茂っていて出口が見えないし、何よりそっちの方向に進むにはちょっとした川があって、その川をバシャバシャと渡らなければいけないので足が濡れてしまうのだ。

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仕方がないので赤いルートの方向に行ってみる。浜辺を出る時、足についた砂を落として靴下をはくのに10分くらいかかり「あのまま車道を行った方が絶対早かったな…」と思う。

 

「へんろ道→」の標識を見つけて安心したのもつかの間…植物の生い茂る二又道に突き当たる。

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どっちに行ったらいいかさっぱり分からないうえ、どっちの方向を見ても植物がぶわわわぁーーーっと生い茂り、怖い。加えて前日から続くほぼ100%に近い熱帯のような湿気…絶対に虫がわんさかいるじゃないか。

 

来た道を引き返すことがチラッと頭をよぎるも、すでにかなり時間を浪費していたので却下。(かなり)勇気を出して、出口により近そうな左側の道に突入した。

 

進めば進むほど、荒廃ぶりが酷くなってくる。落ち葉がつもり、木が倒れ、ツタが絡み、そこかしこに蜘蛛の巣が張っている。高知の蜘蛛はマジでデカい。5cmくらいはあるだろうか。黄色と黒の縞々で、たぶん俗にいう「ジョロウグモ」ってやつ…それがもう、そこかしこにデカい巣をドーン!と張って待ち構えている。

 

そんなもんに顔から突っ込んだ日にゃ、楳図かずおの漫画ばりに

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…っとなるのは目に見えているので、お大師様に身代わりになってもらい(罰当たり)金剛杖をぶんぶん振り回しながら前に進む…怖い。どんなお化け屋敷よりも虫が怖い!

 

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こんな感じの道を一人で進む…動画を撮ったので、編集したら上げます。ずっと叫びまくり。

 

看板は倒れてるし、この道絶対放置されてる…誰も手入れしてないし、きっと大多数のお遍路はこの道を通らないんだろう。海岸に惹かれる遍路なんて外国人ヒッピーか私くらいだ。バカだ。もう絶対ブログで「大岐海岸に騙されるな!」って書こう!!と思いながら、半泣き状態でやっとこの蜘蛛の巣地獄を脱出した。

 

もちろん蚊にもバンバン刺されており(ロンTの上からね…)袖をめくりながらウナコーワを塗っていると、車道を歩いてきた修験道おじさんのMさんと再会!

 

「Mさ~ん!!聞いてくださいよぉぉ!!海岸に行って大変な目にあったんですよ…」と泣きつくとMさんは「そりゃそうやろ、あんな海岸わざわざ行くやつおらんわ」…そ、そうですよねやっぱり。スニーカーと靴下脱がなきゃいけないって分かった時点で引き返せばよかった。

 

安全なアスファルトの…道…

しばらくMさんとともに歩く。Mさんは前日、久百々よりも手前の宿に泊まり、この日は足摺岬にある宿に泊まるそうだ。

 

この日の足摺岬までのルートで「遍路道」と呼ばれる箇所がいくつかある。地図で見ると確かに遍路道を通った方がかなり近道に思えるのだが

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遍路道ルート。先人はもちろん全て遍路道を行かれたようです。

 

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Googleマップルート(=安全ルート)だと、かなりグルッと回り道しなければいけない。

 

しかし「もう危険な遍路道なんて~行かないよゼッタイ~」と心に決めていた私は(その割に大岐海岸の遍路道は行ったけど!そしてまた失敗したけど!!)もちろんGoogleマップ大先生に従うことに。

 

しかも前日、私より1日早く歩いていたSG中山さんのHPで、足摺岬までの遍路道を通ったらものすごいけもの道で通行不可、引き返したものの時間もロスし白衣も泥で汚れ大変だったという記述があったので、どんなに、どんなに遠回りだとしても遍路道は絶対に行かない!と心に決めていたのだ。

 

でも修験道おじさんのMさんは遍路道を行くと言う…Mさんにも中山さんの日記に書いてあったことを言ったが「まぁ大丈夫やろー」とのこと。まぁ…修験道だしね。がんばってー(無表情)。

 

ということでMさんとは途中で別れて安全無難なアスファルトの道を行く。そう、安全無難なアスファルト

 

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安全、無難なアスファルトの…

 

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ぜんっぜん安心できないっっっ!!!怖い…

 

もちろん無事に通過しましたが、ものすごく心細い道でした。でも道の途中で遍路道への入り口があり、ちょっと覗いたら草と植物がぶわわわっっと茂っていたので、遍路道はよりはもちろん安全な道であったことは確かです。

 

逆打ちコスプレブロガー遍路HIROさんとの出会い

その後は遍路道もなく、ずっとアスファルトの道を歩く。ちなみにこの日の朝見た天気予報によると「曇り、ところにより雷を伴う雨」…

 

 

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めっちゃ晴れてます…

 

そしてもちろん湿度は高いまま。だいたい写真がモヤってなります、空気中の湿気で。もうずっとグリーンハウス。植物が勝つ世界。この辺で行き倒れて死んだら1週間もたずに白骨化しそう。

 

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廃校になったっぽい窪津小学校…でも若干新しい気もする?と思って今調べたら、2015年8月に廃校になったそうです。1年ちょっと前だったのね…

 

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途中見つけた金比羅宮。香川県にある有名なこんぴらさんと関係があるのかな?

 

しばらく歩くと、左側に掘っ立て小屋?バラック?ゴミの山?的な建物が見えてきた。ホームレスの人が勝手に住み着いちゃったのかな?…と思っていたら、なんと

 

CAFE たぬき

 

という看板が掛けられている…かかかかカフェ!?!?ゴミ散乱してるけど…(いや本人にしてみたらゴミじゃないんだろうけど)

 

かけてある布とか看板の文句(あんまり覚えてないけど)とかから、とりあえずヒッピーなのは間違いない。オーガニックが大好きで、現代文明はあまり良くないと思ってて、とりあえず草は絶対吸ってるだろうなって感じ。きっと高樹さんと話が合うにに違いない!(この時はまだ捕まってなかったけど)

 

ご主人が出てきて目が合うと面倒なことになりそうだったので、横目でちらちらとチェックしながらも足を止めることなく通り過ぎた。(ので写真ないです。Googleマップに載ってるみたいなので「cosmic country cafe たぬき」で各自検索して見てね!)

 

再び、高温多湿でカンカン照りという地獄の中をテクテク歩いていると、向こうから逆打ちのお遍路さんが!まぁ逆打ちの人に会うのもこれといって珍しくないんですが、あまり話したことはなかったんです、挨拶だけで。やっぱりお互い急いでるからか、すれ違うだけのことが多い(お互い順打ちだとしばらく一緒に歩けたりするんだけどね)。

 

でもこの時はもうパッと見た時に「あ、なんかこの人とは立ち止まって話すだろうなー」ってのが分かりました。なんか、オープンな感じだったからw

 

「こんちはー!」と立ち止まってしばらく世間話。名前はヒロさん、ノジュカー(野宿する人)らしくバックパックがデカい!「何kgあるんですか?」と聞いたところ「15kgくらいかなー?」とのこと…

 

ふぁっ!!???じゅじゅ15キロ???

 

いやヤバイバイ、それ絶対やばいですって。私のリュック10キロでも男性遍路さんに「重い」って言われるのに。

 

というとヒロさんは「いやーそれがだんだん慣れてくるのよ。俺こないだ納経間に合わなくなりそうで、この荷物背負って1時間くらい走ったもん。しかもクロックスでw」

 

ふぁっっ!!???ははは走る???

 

しかもクロックスでって、どういうことだ…っていうかクロックスってまだ売ってるんだ…

 

「ヤバイっすねそれww もう仙人じゃないですかそれ!」「いや、たぶん40番超えたあたりから仙人になるよ、君も!」「マジっすかー!」

 

みたいな会話をしているとヒロさんが「俺ブログやってるから見てよー」と納札にブログの名前を書いてくれた。「私もブログしてるんですよ!」「そうなの?俺はてなブログなんだけど」「えー!私もはてなブログですよ!」と盛り上がる。ブログやってる逆打ちのお遍路さんに会うの初めてだったのですごく嬉しかった。

 

そんなヒロさんのブログはこちら!

hiro-asamiya.hatenablog.com

 

「コスプレとかやってるけど、びっくりしないでね」と言われ、コスプレは全然びっくりしないけど、その時すでにヒロさんがすっごく日焼けしてたので次回お遍路を終えてコスプレするとき大変そうだなぁ…と思ったら、やっぱり大変だったみたいですww

hiro-asamiya.hatenablog.com

 

会って話した時間はほんとに5~10分くらいだったけど、こうしてブログを交換してその後(いやその前から)の旅もずっと追えるって本当に面白い!しかもヒロさんは逆打ちノジュカーなので大変さやトラブルがちょっと読んだだけでも私の5倍くらいはある…でもだからこそ、その分読んでて面白い!!

 

だって現代の日本でこんなトラブルだらけで体も辛くて出会いもいっぱいある旅ってやっぱりお遍路以外ないんじゃないかと思うんですよ。外国行ったらそりゃ他にもたくさんあるだろうけど、国内だから言葉が通じるし誘拐とか強盗とかそういう危険はないし、でも大変なことがわんさかあって出会いや発見もたくさんあるし、それに日本の文化や自然にも触れ合えるし、若い人はもっとどんどんお遍路さんをやるべきですね!そしてブログを書け!!笑

 

ヒロさんと別れてまたテクテク歩いていると、向こうからアメリカ人遍路のネイト君が歩いてきた。

 

「Hi~! 金剛福寺どうだった?」「すごいきれいだったよ~足摺岬は絶対見るべき!」

 

と会話を交わす。実は前日くらいから(例のどういう仕組みかよく分からない)iMessageで連絡を取っていたのだ。ネイトは私が泊まった民宿久百々より少し先の「民宿旅路」に泊まり、私と同じように足摺岬金剛福寺を打ち戻り、民宿旅路・民宿久百々を通り越して「ロッジカメリア」という宿に泊まるということだった。なので「明日どこかで会うだろうね!」と話していたのだ。

 

ネイトが「そういえばあのヒッピーcafe、行った?」と聞いてきた。「あそこ営業してるの!?」と聞くと、ネイトが通り過ぎた時にはオーナーがいて、伸ばしっぱの髭と長い髪にバンダナ、洋服は素肌に皮ベストみたいなおっちゃん(想像通り!)がネイトに「Hey man~俺も若い頃はUSAに行ったぜ~」と話しかけてきたらしい。

 

なんか飲んでいかないかと誘われたらしいが、時間がないのでと断ったらしい。確かに捕まったら面倒くさそうだもんね、と言うと、ネイトはそういう変な人にすごく興味があって本当はもっと話したかったが、本当に時間がないので泣く泣く断ったと言っていた。(そして今ヒロさんのブログを見たら、なんとヒロさんは私と会う前にcafeたぬきでコーヒーを飲んでいた!チベットコーヒー…なんか色々すごいw)

 

ネイトに「もうあと1時間くらいだから頑張って!」と言われ、「さんきゅー!またね!」と言って別れた。

 

これが熱中症

ネイトと会うちょっと前くらいから、あまりの暑さに頭がガンガンしだしていた…水分は十分補給しているはずなのに、飲んでも飲んでも「渇きが癒されない」感じ。お腹の中にぽちゃぽちゃと溜まるだけで、口の中はアクエリアスの変な甘さでネチャネチャしている…冷たい麦茶が飲みたいっ!!

 

私は一度頭痛が始まると薬を飲まないと絶対に自然には良くならない人で(皆そうかな?)だからいつも頭痛薬を持ち歩いていたのに、この日に限って薬を入れた袋を宿に置いてきてしまっていた。ちなみに宿から足摺岬までの20kmの間、薬局どころかコンビニすら1軒もない道のり…

 

今から考えると熱中症になりかけだったと思うのだが、今までの人生で熱中症になったことがなかったし、水分補給(水じゃなくてちゃんとスポーツドリンク)も十分していたのでその時は「熱中症?」と疑いもせずに「ただの頭痛だろう…」と思っていました。

 

ちょうど時間も午前11時くらいで日が真上から照っており、足摺岬まで向かう道はほとんど日影がない!「はぁはぁ…」と舌が自然と犬のように飛び出し、足元も視界もフラフラ、加えて頭痛。辛い…でもとにかく足摺岬に早く到着したい一心で、休まず歩いた。

 

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ずっと山の中だったけど、足摺岬近くになってようやく海が見えてきた!青が濃い!

 

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足摺岬まであと2km…20分とちょっと!あともう少し!…でも、あの日なたに出ていきたくない…

 

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やっとあと500m!最後の最後は木々が生い茂り、少し影があって良かった…でも涼しくはないです。ものすごい湿気(このモヤはレンズが汚れているわけではなく空気中の水分)です。

 

金剛福寺に到着!

頭痛と戦いながらフラフラと足摺岬に到着…あ、暑い…

 

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つ、着いた…ようやく…

 

歩いてるときはあんなに誰もいなかったのに、お寺周辺に来ると人で賑わっている。クーラーの効いた車から降りてくる、白衣もパリッとした身軽なお遍路さんたち…そんなお遍路さんたちに混じって、ハァハァと息も荒い汗だくのお遍路さんが金剛杖に寄りかかるように足を引きずりながら同じお寺の山門に向かう…四国遍路はだいたいそんな感じです(楽なところはそんなに違いはないけどね)。

 

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頭痛を抑えて山門前で恒例の記念撮影。天気予報で雨って言っとったやん…

 

カンカン照りで歩くときは苦労したけど、写真に撮ると美しいのが晴れの日の良いところ。38番札所、金剛福寺はやっぱりとても美しいお寺でした。

 

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大きな美しい庭園が見事な金剛福寺。外国人遍路さんが「ふぉぉぉ…」と見入ってました。いやーほんと、これぞ「ザ・ジャパン」だもんね。京都に負けないよ!

 

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金剛福寺の(たぶん)有名な亀の像と、奥に見えるのは四国八十八箇所のお寺には必ずある弘法大師修行像。

 

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なんか、謂れがあって有名みたいですよ、亀。でもお遍路の他のお寺にもけっこう亀いますね。やっぱり四国は海に囲まれているだけあって昔から亀と関りが深いのかめね。

 

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そんなお亀と記念撮影。けっこうデカいんです。そして頭を撫でると願いが叶うと、誰が言ったか知らないが、たぶん皆本能的に亀の頭に触りたいんだと思うんだけど、亀の頭に皆が触るから、亀の頭がつるつるになってるの…亀の頭が…

 

お参りを済ませて御朱印をもらいに納経所に行くと、お味噌のCMに出てきそうな(古い)少年小坊主さんが!まだ中学生ぐらいじゃないのかなぁ…平日なのに学校は行かなくていいのかー

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動画撮ってもいいかと聞くと「緊張するなぁ」と一言。可愛い!!でもどうしても頭の中に「マルコメマルコメマルコメマルコメ♪」の音楽が流れるのを止めることはできない。

 

納経も無事済ませ、ヒロさんもネイトも「絶対見た方がいい!」と言う足摺岬へ…と言ってもすぐ隣なんですが。

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その辺の観光客に撮ってもらう。この時実は頭痛MAXなのだが、必死の笑顔!!

 

足摺岬灯台まで遊歩道があり、地獄の穴とか、弘法大師爪彫りの石とか、撫でると性が強くなるといわれる亀石とか、色々あるみたいなんですが、とにかく頭が痛くて何にも楽しめないので遊歩道はパス!展望台だけ行くことにしました。

 

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展望台から見た景色。これが四国の最南端かー…はぁー頭痛い。

 

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頭痛を抑えて頑張って笑顔。カンカン照りは容赦なく続く…もう帰りたい…

 

同じ道を…帰る…辛い…

さて、納経もしたし撮るもの撮ったし(オイ)、さっさと帰ります。本当は金剛福寺前にあるお土産屋の2階のレストランでちょっとゆっくりしていきたかったんだけど、時間がもう12時半で、暗くなる前(5時くらいまで)には宿に着きたかったので休憩せずに出発することに。

 

今考えるとこの選択がまずかった。涼しいところで冷たい物を飲んで体を冷やしておけばだいぶ違ったと思うんだけど、とにかく頭が痛いから早く宿に帰って頭痛薬を飲みたかったのと、前々日くらいから「私は歩ける!」と変に自信過剰になってたんだと思う。しかも「今日は荷物がないから余裕だろ~」と調子ぶっこいてたし。

 

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足摺岬に立つジョン万の銅像にサヨナラを告げる。グーリデイ、シャー!(ジョン万が書いた「Good day, Sir」の読み…アイリッシュっぽい発音)

 

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まだまだ続くカンカンロード…し、死にそう…

 

とにかくひたすら歩くしかないんだけど、喉が渇いて冷たいポカリをゴクゴク飲んでも全然渇きが癒えない。頭の中に浮かんでくるのは、民宿久百々の部屋に用意してあった、魔法瓶ポットに入った氷入りの麦茶!!飲みたい…

 

あと、Tシャツを脱ぎたい…というかブラだけになりたい!!という衝動?妄想?に駆られる…しかしさすがにそれはできないので、ちょっと長袖をめくってみたり、また覆ったり(日焼けが嫌で)…

 

今考えたら、とりあえず白衣だけでも脱げばよかったのにね…熱かったんだよ!純粋に。熱が体にこもって逃げていかない感じ。そういう本能的な衝動って大事です。ダンサー時代から体の声を聞くことは大事って分かってたハズなのに、お遍路では体に無理をさせることが当たり前になってたから体の声を無視してしまった。

 

フラフラしながら歩いていると、左側に遍路小屋を発見。さっき来るときは見なかったのに…たぶんフラフラしながら歩いてたから見えなかったんだろうな。

 

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今までの遍路小屋(休憩所)とは明らかにレベルが違う。最初、お店かと思った。

 

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すごくちゃんとした休憩所、普通に人ん家みたい。でも上の「歩く 休む 又歩く 今が自分 今からが自分」って言葉が…やっぱ歩き遍路ってメンヘラが多いんだろうなって思う…今からが自分って…

 

この座って休むところ?談話ルーム的空間まではまぁ良かったんですが、その奥を見てぞっとしました…

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これね…写真で見てもあんまりピンと来ないかもしれないんですが、こんな布団とか放置してOKな場所じゃないんですよ。高温多湿、湿度100%に近い場所なんです…畳ですらちょっとグチョッて湿ってそうな気候なのに、毛布とかシーツとか枕とか…これが肌に触れることを想像しただたけで蕁麻疹が出てきそう!

 

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壁に掛けてあったこの写真を見てもらえば、この場所がいかに高温多湿でバクテリアの繁殖しやすい場所かということが分かってもらえるかと思います…

 

こわ…こんなとこで絶対寝れんわ~と思いながら、この不気味へんろ小屋(失礼)を後にしました。

 

その後も来た道をずっと歩く。1回通ったから見るものに特に感動もなく、写真も撮らず…地図を見なくてもいいのは良いけど、1回来た道を戻るのってけっこう辛い。来るときはまだ体力があったし、頭の中では「ここ行って、ここ通って、こう」とパパッと思い浮かぶのに、実際はけっこう距離がある。知ってる道を歩くのって先が分かる分辛いんですね…

 

唯一良かったのは、時が経つにつれ日が西に沈み、私は足摺岬の東側を歩いているのでほぼ日陰になったことです。カンカン照りからは解放されたものの、頭痛はひどくなる一方…

 

途中、窪津という漁業の町で一休みすることに。コンビニもないので、お遍路さん用のトイレ(けっこう汚い…)で用を足して、大漁屋というお魚屋さんの前のベンチに座りリアルゴールドを飲む。ご主人が「暑いので大変ですねー」と話しかけてきたので「今日は雨と天気予報で見たので、この暑さは予想してませんでした」と言うと

 

「だいたい土佐清水のあたりは、高知の天気予報見ても当たらんからねー」

 

どちらかと言えば宮崎に近いらしい…(´・ω・`)

 

少し休んで再び歩き始めると、36番青龍寺で最後に会ったハイ真島ことS木さんに再会!前に会った時は黒の長袖シャツだったのに、今回は普通にピンクのTシャツ、腕を見るとぎっしりタトゥー…隠してたんだ。お寺近くに行ったらまた隠すのかな。それにしても細い、S木さん!しかもサングラスにイヤホンと、とてもお遍路さんとは思えない格好。笠も白衣もないし、K太からもらった杖で、かろうじてお遍路さんと分かる。

 

「S木さーん!」と声をかけるとイヤホンを外しながら「あのさぁ、時々ワープしてない?絶対、電車かバス乗ってるっしょ!」とS木さん。「ぜっっったい乗ってないです!マジで。高知市内でバスには乗ったけど、でも歩いたところまで戻っただけで、ワープは絶対してないです!!」と言うと、「ほんとぉ~??」と信じてくれてない様子。

 

「他の人より少し歩くの速いみたいです…たぶん。」と言うとやっと「そうかぁ…」と納得してくれた。「K太の杖、まだ持ってますね!」と言うと「これ、意外とすっげー役に立つ!」とのこと。そうでしょう~!金剛杖と笠ってマジで実用的なんですよ。山とか坂とか、杖必須!!

 

「ところで、もう少し行ったら遍路小屋なかった?」とS木さん。「ありましたよ!すっごい汚いとこ…」と言うと「え?あそこ、洗濯機がある遍路小屋で、すごい贅沢なとこだって野宿遍路の間では有名なんだけど?」と言う。そうか…確かにK太も、すんごい簡素なベンチと屋根しかない休憩所見て「なんて素敵な寝床なんだ!」って言ってたし…野宿してたら感覚変わってくるのかも。というか、私の汚い場所への許容範囲が年と共にだんだん狭くなってきてるのかも…やだな…インド行くか…←

 

頭痛がしていた私は「じゃ、先行きますね!」と言って別れた。別れ際S木さんが「そっか…はぇえんだ…」と呟いていたが、たぶんもう追いつかれることはないから、これで会うのは最後かも…と思いながらそこを後にした。

 

 来た道をひたすら戻り、やっと大岐海岸まで来た。もちろん今度は車道を行く!すると今度は、以前2度ほどお寺で会ったK藤さんが向こうからやって来た。私はその時、もう頭痛と疲労がMAX!!会って挨拶するのがやっと…K藤さんは「疲れてるねぇ!」と逆にけっこう元気な様子。ノジュカーの人って熟睡できないから疲れが溜まるんじゃ?と思ってたけど、逆に好きな場所でビバークできるから、急いでない人はのんびり行けるのかもしれない。お金もかからないし。まさに放浪生活だね!

 

以前会った時はK太と一緒だったのでK太のことを聞かれ、「実は喧嘩しちゃって。K太たぶん、家に帰ったみたいなんですよ」と説明した。「え?何があったの?」と聞かれて「いや、なんか色々イラッときて、最後に私『臆病者!そうやってずっと逃げ続けて生きていけば!』って言っちゃったんですよね…」と言うと、「あぁ~そりゃちょっとキツイなぁ笑」と言われて少し凹む私。やっぱキツかったかぁ。

 

凹みながらK藤さんに、頭痛がしてて、水分取っても全然入っていかなくて、とにかく氷の入った麦茶が欲しいと説明すると、K藤さんが一言「それ、熱中症なんじゃない?」

 

…あっそうなの?これ、熱中症の症状なの?

 

と初めて気がついた。もう宿、目の前だけどね。K藤さんに「体を冷やした方がいいよー」とアドバイスをもらって別れる。とりあえず、袖はめくった。

 

修験道カミナリおじさん

やっと宿に着いたのはたぶん5時くらい。最後の最後が本当にきつくて、足元がフラフラ…金剛杖を両手でつかんで、1歩1歩ヒィヒィ言いながら歩いた。こんなに辛い旅になるとは全然予想してなかった…

 

宿に着くと女将さんが「早かったねぇー」と出迎えてくれた。他にも足摺岬に行って戻ってくるお遍路さんがいるが、私はその人より遅く出て早く着いたらしい。部屋に行って早速氷入り麦茶を飲んで一息つく…そして頭痛薬をすぐに飲んだ。

 

お風呂に入って洗濯をして夕飯。2日目はさすがに夕飯を頼んでおいた(足摺岬からの道にコンビニ1軒もなし!)

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さすが海が目の前だけあって、刺身がすごく美味しかった!でも右上のきんぴら?的野菜がちょっと苦手で、小食なこともあってほとんど食べずに残したら、女将さんに「体にいいのに!」と怒られました…ごめんなしゃい…

 

食事する部屋に入って「うわー!美味しそう~!!」とテンション高めで写真を撮っていると、目の前にこれぞ昭和の頑固おやじ!!的な坊主のおじいちゃんが黙々とご飯を食べている。お刺身に手を伸ばしながら「歩き遍路の方ですか?」と聞いてみた。順打ちの修験道遍路さんで、昨日から泊まって今日、金剛福寺まで行って戻ってきたとのこと…あぁ、この人だったんだ!

 

「私も今日打ち戻って来たんですよ〜」と言うと「じゃああんたかな、同じ修験道のMさんいう人が、えらい足の速い子がおる言うとったけど」…Mさん、どんだけ言いふらしてるんですか!

 

私が「昨日もう一人男性の方泊まってましたよね?その方は逆打ちだったのかな?昨日その人に洗濯物を乾燥機に入れっぱなしにするな!ってすんごい怒鳴られて…」と言うと、昭和の頑固おやじがニヤニヤしながら

 

「それ、わしや。わし!」

 

前日、部屋の外から「いつまで乾燥機に入れっぱなしにしとんじゃー!」と怒鳴られて部屋から出た時、もう一人いた気の弱そうなおじさんが洗濯物を抱えて待っていたのでその人が怒鳴ったんだと思ったら、こっちの頑固オヤジさんが代わりに怒鳴ってすぐ自分の部屋に入ったらしい…え!?怒鳴り逃げ!??私てっきり、あのおじさん気が弱そうに見えるのに、突然怒鳴りだすちょっとメンタル危ない人だと思っちゃったじゃん!!

 

だから私が食堂に入ってきた時、ものすごくムスーッとした顔してたんだなぁと納得。礼儀がなってないチャラチャラした女だと思われてたらしい…いや、実際礼儀がなってないチャラチャラした女なんですけど、老人に取り入るのがうまいんですよ

 

ご飯を食べた後もこの頑固オヤジさんと、奈良の修験道のこととか、おじさん達の間で歩き遍路をやるとすごく賞賛されることか、K太との喧嘩の話とか、色々と話して仲良くなりました!

 

まとめ

ただ20km歩いて行って、また20km歩いて帰ってきた。暑くて辛かった!…で終わると思っていたのにどうしてこんなに書くことがあるのか…でもだんだん記憶が薄くなっていってます。早く書かないと!!

 

あ!民宿久百々は結局、ゴキちゃんは出ませんでした。毎回、畳の部屋に泊まるときは基本「虫が来ないスプレー」をまずするんですが、布団に寝そべってブログを書いているときに、パソコンのすぐ横に上からけっこう大きめの虫がボトッ!と落ちてきましたが、ゴキちゃんではありませんでした!(なんの虫かは分からず…)

 

あと2日目の夜、晩ごはんの後に部屋に戻ったら、廊下から私の部屋に茶色の蛙(3cmくらい)がピョンピョン入ってきて、私、緑のアオガエルなら小さい頃から慣れ親しんでるので大丈夫なんですが、茶色いやつはちょっと苦手で「カエルー!カエルがー!!」と叫んでたら昭和の頑固オヤジおじさんが部屋に来て取ってくれました!

 

でも、カエルを取るときに敷布団の上を裸足でズカズカ踏まれたのはちょっとショックだったな…(´・ω・`)

 

これから歩き遍路に出られる方のための注意点

  1. 大岐海岸の浜辺を歩く遍路道ですが…正直オススメしません。砂浜を歩くので靴に砂が入りやすいし、脱いだら脱いだでまた履くときにすごく時間がかかる…(足を洗う場所なんてない、砂をはらうしかない)あと出口が大変です。まっすぐ進むとちょっとした川を渡らなければならず、橋なんてないので結局靴を脱いでバチャバチャと渡らなければいけないし、もしくは川を避けて右に行く場合も、木や草がぼうぼう生い茂った道を行かなければいけないので大変です。素直に国道を行きましょう。
  2. その後の以布利窪津あたりの遍路道もけっこう大変な山道みたいです。私は全部車道を行きました。それでもアップダウンがない分、時間的にはそんなに変わらないと思うので、よっぽど山道が好き!チャレンジしたい!って人以外は遍路道を行くメリットはないかと…

 

以上!よし、これで半分書いた。折り返し地点!

 

ブログを書き終わるまでがお遍路です!!

 

ではでは☆