四国歩き遍路 女一人旅 in 2016

1978年生まれの38歳、独身。ソウル→バルセロナ在住を経て現在日本に帰国中。2016年9月から念願だったお遍路さんに行ってまいります!うるう年ですが初挑戦なので順打ちで行います。

四国歩き遍路 第35日目(10月15日) 〜最悪と最高を味わった究極の遍路日

야바이 야바이 야바이!! 韓国までマジで時間がないです!

 

たぶん今日は前回の史上最長ブログ(当社比)を超えると思う。それくらいハプニング満載な日だったんで、もういきなり行っちゃいます。

 

あ、izumiです。

 

れっごっ!!

 

みっちり詰まった1日の始まり

はい、じゃサクッと今日の行程紹介!サクサク行くよっ!

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昨日泊まった「民宿青空屋」から平地に下り、67番大興寺(4.6km)、68番神恵院/69番観音寺(9.2km)、70番本山寺(5.2km)、ちょっと山登って71番弥谷寺(11km)、72番曼荼羅寺(4.6km)、73番出釈迦寺(0.5km)、そこから善通寺駅まで歩いて(4.6km)予讃線で4駅先の丸亀駅まで行き、今夜の宿「丸亀ゲストハウス・ウェルかめ」という予定。全長39.7km、しかもお寺7つのスケジュールみっちりDAY!

 

朝5時半起床、6時から朝食。6時半に民宿青空屋を後にし(ご主人と奥様2人でお見送り…最後まで素晴らしいおもてなし、ありがとうございました~!)まずは67番大興寺(だいこうじ)を目指す。

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あの山は(たぶん)七宝山、山の向こうは瀬戸内海です。今日も雲一つない秋晴れだー!

 

歩き始めて50分、67番大興寺に到着!

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この頃になると朝夕は肌寒くてモンベルのパーカーが大活躍しました。ちょっと目が充血してて怖い。

 

大興寺は本堂のある境内は特に、あの、特色のないお寺なんですが、山門入ってすぐの木はすごいです。

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弘法大師お手植え(と言われる)樹齢1200年のカヤの木。でもこの木よりもっと大きいのが…

 

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その先にあるクスノキ。2つともとにかく大きい。近くで見ると圧倒されます。デカい木はやはり良い。

 

一挙両得なお寺

大興寺で木パワーを充電し、早速次のお寺にレッツゴー!

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秋桜がまだちょっとだけ咲いていた。10月の遍路は天気が良くて気持ちいい~!

 

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道を歩くと「寛永通宝」のマンホールが。この理由はあとでお教えします!

 

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この日お祭りがあってたっぽい琴弾八幡宮。寄って行きたかったけど出店がまだ開いてなかったし、この日はほんとにスケジュールぎっちりで時間がなかったので諦めました。(´;ω;`)

 

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琴弾八幡宮すぐ横にある喫茶&軽食の「琴」。モーニングサービスにカラオケにギター愛好会に…ご老人のROUND1だよここは!

 

67番を出て1時間、68番神恵院(じんねいん)と69番観音寺(かんおんじ)に到着!

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山門も一緒!1つのお寺で2つ納経できるなんて素晴らしい~(*´ω`*)

 

同じ場所にお寺が2つということは本堂も2つ、大師堂も2つ。ちょっとややこしい。

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奥に見えるのは69番の本堂。この大きな木の周りに、始めて数日目の初々しい逆打ちノジュカーさんがいたんだけど、なんとなく声をかけられなかった。もうなんか…初々しさが眩しくて…

 

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左は39番の大師堂。ちなみにお寺は2つでも納経所は1つしかなく、普通は300円なのですがここでは600円払って2枚書いてもらいます。

 

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68番の本堂がない…と思ったら、なんとこれ!え?仮設?コンクリート打ちっ放し??

 

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中に入ると階段があり、登ると奥にお寺があるのだ…そうか、もう外はなんでもいいのね、お寺って。

 

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納経を終えてお寺の茶店で杏仁豆腐味のソフトクリームを購入。普通に美味しかったです!

 

このお寺の裏山から実はあるものが見えるのです。茶店のおばさんに道を聞いて、ソフトクリームを食べながら裏山に登ること10分…

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じゃじゃん!!…って全然見えなーい!顔も真っ暗だしぃー!!

 

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ほらほらー、クッキーサンドだよ~…

 

正解は

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寛永通宝の砂絵でした。(正式名称は「銭形砂絵」Wikipedia参照のこと)

 

これを見ると一生お金に苦労しないらしい…はっはっは…

 

 

 

んなわけあるかい!!ヽ(`Д´)ノ

さすがにちょっと無理あるよそれは。

 

 

肝心要がリペア中

杏仁豆腐ソフトと奇妙な砂絵を堪能したところで、次の70番本山寺(もとやまじ)へ!

 

こーんな平ぺったい信号機の下を通ったり

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教習所の偽信号機のようだけど、ちゃんとした公道の信号機です。初めて見た!

 

こーんなのどかな風景を見ながら歩いて

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この日くらいから「あぁ…四国のこの美しい風景を見るのもあと数日なんだなぁ」と感傷的な気分に。

 

11時20分、70番本山寺に到着!

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山門の看板の読みやすさナンバーワンのお寺。でもお寺の名前は「ほんざんじ」じゃなくて「もとやまじ」。

 

この本山寺は何が有名って、あの美しい五重塔だ!…さて、五重塔は…

 

 

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( ゚д゚)ポカーン

 

…残念ながら修復中でした…

 

その代わり、ご本尊の「馬頭観世音菩薩」様の御開帳をやっていたのでそれを見たり

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中ではもちろん写真は撮れないです。馬頭観世音様、、けっこう近くで見れちゃいます。えへ!

 

馬頭観世音繋がりなのか、馬の銅像があったり

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馬が草を食べるように人間の煩悩も食べてくれるのが馬頭観世音菩薩らしいです。むしゃむしゃ。

 

修復中ということで本当は五重塔のてっぺんにある「相輪」を間近で見たりしました。

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この赤い紐を握って、相輪と、ひいてはお釈迦様との繋がりを確認する。お釈迦様と赤い糸。むふ♡

 

あと、本山寺の修行大師像は颯爽とした臨場感があります。

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たいてい直立不動のやつが多いから、こんな風を受けて立ち向かう的な像は珍しい。好きです。

 

階段が多くて、い、いやだにぃ…

五重塔が修復中で残念だった本山寺を後にし、次の71番弥谷寺(いやだにじ)へ!

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茂兵衛さんの標石を発見!よく見たら下の方ちょっと埋まってる。新しそうに見えても150年くらい経ってるんだもんなぁ。

 

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要潤三豊市出身らしい。この看板にちょっと癒されてしまった私は、韓ドラ俳優にハマるアラフォーになる可能性が十分にあるということなのだろう。気をつけよう。

 

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弥谷寺はまっすぐ、あの山を少しだけ登ります。

 

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竹藪の中の舗装道をずっと登って、ようやく本堂まであと581m!しかし…

 

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本堂までは階段がたくさんあるのだ!駐車場にあった大きな地図を見ると、どれだけ広いか分かってもらえると思う。見るものがいっぱいあるお寺です。

 

午後2時半、まずは71番弥谷寺の山門に到着~!

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ここから本格的に階段を上る。車遍路の人がヒィヒィ言うお寺です。ひひひ!(←)

 

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これはまだ階段の始まり…

 

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途中こんなでっかい観音様がいらっしゃる。

 

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そしてこれがなぜか皆が「最後の階段」だと思い込んでいる百八階段。ここを車や団体のお遍路さんたちがヒィコラ言いながら上るんだけど、その横で楽勝で上ってる自分に気がついた。上った後「え?これで終わり??」と思ったくらい。知らない間に上り坂や階段を上るのに慣れていたのだ。

 

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本堂への階段。さっきの百八階段で終わりと思ってた後の階段は心理的にちょっと辛い。ちょっとだけね。

 

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こちらが本堂。ここから後ろを振り返ると…

 

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さっきまでいた三豊市を見下ろせます。景色いい!

 

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なんと鎌倉時代に岩肌に彫られた仏像!(横には「南無阿弥陀仏」が九行)コンクリートの笠は後付けだそうです。

 

そして事件は起こった

大師堂と納経所は一緒になっており、しかもその同じ建物の奥に、幼い空海が修行をしたと言われる「獅子の岩屋」もある。その建物に入った時すでに入り口近くの納経所が混雑しているのを見て「早く大師堂でお経を読んで並ばないと!」と思った。

 

このお寺を打って今日はあと2個お寺を打たないといけない。もっと時間があればこの弥谷寺もゆっくり見たかったけど、40日で終わらせる計画表を作ってしまったので最後の数日は正直スケジュールがギチギチだった…要するに何が言いたいかというと

 

この時、もうすでに少し焦っていたのである。

 

獅子の岩屋をさっと見学し、大師堂でさっとお経を読み(佐藤さんから教わったお経省略バージョンがものすごく役に立った)納経所に並ぶ。窓口は3つあるが、一番右の女性は団体さんの大量の納経帳にバンバンはんこを押していく作業をしており納経は受け付けていなかった。

 

必然的に真ん中と左の窓口の男性2人となり、私は真ん中の列に並んでいた。私の番まであと2人というところで、ふと左の列を見ると(納経中の客の後ろに)誰も並んでいない。さっきまでは並んでいたのに。どうやら私の後ろの人が「ここはフォーク並びだ」と勘違いしているらしく、私もどちらかと言えば公平を期するフォーク並びが好きなので、私の前に並んでいた女性に向かって

 

「左の窓口が空いたらそちらに行ってくださいね(暗に、空くまでは行くなよという意味を込めて)」と声をかけた。

 

左の窓口の客は小太りハゲのおじさんで、掛け軸を数個持っていたので納経に時間がかかっている。真ん中の窓口ではやっと私の前の女性の番になった。納経を後ろからそっと覗くと…かなり年配のお坊さんが、ゆっくり、ゆっくりと筆を動かしている。今まで70ヶ所(別格も含めると72ヶ所)納経を見てきたけど、こんなにスローモーな筆づかいは初めてだ…よく見ると手がプルプル震えているし、明らかに慣れてない感じ…

 

左の窓口も、真ん中の窓口も動かないので、後ろを見ると列がかなり長いことになっている。私もすでに10分ほど待っていたが、今来たお客さんはおそらく30分くらいは待たないといけないだろう…並んでる人も皆「なぜ列が動かないの?」という表情で前を伺っている。

 

やっと左の窓口が空いた。素早く移動して納経帳を差し出す。300円を用意しようとお財布をごそごそやっていたら、先程この窓口にいた小太りハゲ親父が戻ってきて

 

「なぜ横入りするんですか?」

 

と言ってきた。ハイ???

 

状況がつかめず「え??」となっていると、また「なぜ横入りするんですか?あなた並んでなかったですよね?」と言ってくる。

 

「いえいえ、並んでましたよ」「どこに?」「あっちの列に」と長い列を指さす私。

 

小太りハゲは「でも、私の後ろに並んでなかったですよね?私まだ終わってないんですけど。あと納経帳が40冊くらいあるんですけど」と言う…団体のガイドか。

 

私「知りませんよそんなの。あなた一回この場所を離れたじゃないですか。」

禿「いえ、離れてません。納経帳を取りに行っただけです。うち団体なんで、納経帳まだいっぱいあるんで。そんなの常識で分かるじゃないですか!」

 

…は?なんかもう訳分からんこと言いよるな、このおっさん…とイラッと来た私は

 

私「は?あなたが団体のガイドだってどうやって分かるんですか?腹見ても背中見てもどこにも団体だとかガイドだとか書いてないんですけど。私はあなたのこと普通の一般人だと思ってたんで、あなたが離れた時『終わったんだな』と思ってこっちに来たんですけど。そんなの常識で分かるじゃないですか!」と早口でやり返した。

 

この時点で、列に並んでる人、新しく納経所に入ってくる人も「何事か」とチラ見している。私の前で納経中の若いお坊さんは、ピリピリした空気にも無関心を装い、何も言ってこないし関わりたくないといった感じだった。

 

小太りハゲはイラッとした感じで、すぐ横にいた若い男性(部下?)に「じゃあこっちの(左の)窓口は団体専用ってことにするから!(人を並ばせるなよ)」と言った。私が公平さを期するためにフォーク並びを始めて、それに従って皆真ん中の列に1列で並んでるのに、なんでお前が勝手にそれを利用して「団体専用窓口」とか決めるんだよ!そんなのお前が決めることじゃないだろう!!

 

だが、明らかに聞こえてるはずの納経所のお坊さんは何も言わない。私もこれ以上時間も労力も費やしたくなかったので、並んでる人たちには悪いが納経帳を受けとってさっさと次の寺に行こうと思った。

 

納経帳をリュックにしまい出ようとしたところで、どうしても最後に一言かましてやりたくなった私は、ハゲ親父に向かって

 

「背中の後ろに大きく『私は団体のガイドです、納経帳がたくさんあります、私の後ろに並ばないでください』って書かれたらどうですか?」

 

と言った。うすらハゲデブ親父はめんどくさそうに「はいはい、そうしまーす」と目も合わせず返した。怒りで心臓をバクバクさせながら納経所を後にした。

 

俳句茶屋で和む

せっかくお寺にお参りに来て、仏像に手を合わせたりお経を読んだりして心穏やかになっていたのに、なんであんなデブハゲ不細工親父にこんな気持ちにさせられにゃならんのじゃ!!…と最悪な気分で弥谷寺の階段を下りる。と、来た時は団体の客でごった返していた山門近くの茶店「俳句茶屋」が、さっきとは打って変わって客が1人もおらずシーンとしていた。

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寅さんの映画に出てきそうな茶店。もろタイプです♡

 

時間はあんまりないけど、饅頭でも買ってくかな…とお店に寄ると、店員さんが「72番までは40分で着くから(ちなみにこのとき15時20分)ちょっとお茶していきなさいよ」と中に案内してくれた。

 

中は今まで歴代のお遍路が詠んだ俳句が所狭しと飾られてある。ちょっと壮観!

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今のご主人は三代目だそう。何度もテレビに出たことがあるらしく、芸能人の俳句を色々紹介してくれた。

 

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これを書いたときはまさかあんな事になるなんて思ってなかっただろうベッキーの俳句とか

 

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芸能人はお遍路に来ても全部は歩かないらしいんだけど、菅直人はちゃんと全部歩いた!と言って、四国で(年配の方に)人気の菅直人とか。あと須藤元気も全部歩いたらしい。ま、あの人はやりそうだよね!

 

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なぜか2回来たらしい菅直人。私が歩き遍路始めてちょっとした頃、高畑裕太が遍路に来る!って情報が流れたことがあったんだけど本当に来ればいいと思うの。全部歩いたら少なくとも四国の人にはけっこう人気出ると思うんだけどな。ま、しっかり歩けばね。

 

俳句茶屋名物「あめゆ」を飲みながら、ムツゴロウ似の三代目店主とお話。なんとここでも、60番横峰寺の駐車場で遊んだヤマガラちゃんと遊ぶことができたのです!

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ムツゴロウさん(仮)にひまわりの種を手にのせてもらい、待っていたらすぐに来た!やっぱり人懐っこいんだなぁ~♡

 

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見えますか?2匹同時!こっちのヤマガラちゃんの方がより人間慣れしてるみたいでした。カワエェ(*´з`)

 

今日最後2寺!…のはずが

ハゲデブ親父の嫌な思い出も俳句茶屋のムツゴロウさんとヤマガラにすっかり癒され、再び明るい気分で次の72番曼荼羅寺へ!少し山道だけど、勾配はないので楽勝。

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近道と聞けば俄然やる気が出てくる山道。スススッと行きました。

 

途中、湖の横で自然に還ろうとしている車を見たり

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向こうにもう1台あるな…

 

日本の英語教育の悲しい現実を目の当たりにしたり…

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Rest…な。でも私もロブスターのこと「Robster」とか言っちゃうから人のこと言えない。

 

4時11分、72番曼荼羅寺(まんだらじ)に到着!

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73番の出釈迦寺はここから500mほどなので、何とか今日の予定は時間内にこなせそうだ!と安心の笑顔。

 

急いでお経を読み上げ、納経所に向かう。納経が終わり建物を出ようとしたところで、さっきのあの小太りハゲガイド(とその部下)が入ってきた。団体だから逆打ちだと思ってたけど、どうやら順打ちだったらしい…

 

無視して行こうかとも思ったが、もう今日の予定は十分にこなせると分かり焦りがなくなったのと、無視して行くのも大人げないかと思ったので

 

「先程はすみませんでした。今日中に73番まで打たなきゃいけなかったので焦ってたんです。きつい言い方してしまってすみません。」と謝った。

 

一緒にいた若い部下の男性は理解を示すようにニッコリ笑ってくれたのだが、例のデブハゲ親父はニヤニヤしながら私に

 

「いやーあの後、他のお遍路さん達と言ってたんですよ。せっかくここまで(71番まで)来たのに、もったいないねって。」

 

と言った。一瞬意味が分からなかったが、確実に良いことは言われてない気がして「あ、そうですか」とだけ言って納経所を出た。

 

歩き始めてようやく意味が分かった。(あの評判の悪い)44番大宝寺の納経所でのことを思い出したからだ。ネットのお遍路情報サイトやガイドブックにはそんなことは一言も載ってないのだが、明らかに団体遍路ツアーのガイドの中では

 

十善戒に反した遍路はその時点で今までやってきた遍路が無効になるのでもう一度やり直さなければいけない

 

という概念が存在するようだ。でなければ、納経所でのあの発言は意味をなさない…

 

73番に向けて歩きながら、さっきまで俳句茶屋で和んで忘れていた怒りがムカムカとぶり返してきた。一度納経所に戻って、名刺をもらってハゲデブの会社に文句の電話を入れてやろうかとも思ったが、さすがにそれはやり過ぎたと後悔しそうなので止めた。しかしムカムカが収まらない…

 

なんでこんなにイラつくんだろう。明らかにおかしいことを言っているのは向こうなのに。私は何か悪いことをしたんだろうか?弥谷寺の納経所で何を言われても黙っているべきだったんだろうか。曼荼羅寺の納経所で謝ろうとしたことは単に私のエゴだったんだろうか。答えの出ないまま悶々とした気持ちで73番出釈迦寺に到着した…(たった500mだったからすぐに着いた)

 

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ムカムカしながらも作り笑顔…これ何の修行ですかお大師様…

 

出釈迦寺は広くはないが見るものがけっこうある。捨身ヶ嶽山をバックに立つ大きな修行大師像や

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やっぱり山がバックにあると迫力が違います。

 

求聞持大師の像があったり

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これ自体はそんなに珍しいものでもないんだけど、私が驚いたのが…

 

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求聞持法という修行があり、左の真言を百万回唱えるとあらゆる経典を記憶し理解することができるという…今の常識からいえば完璧に「そんな暇あったら勉強せい!!」とツッコミが入る「急がば回れ」どころか「急がば座れ」くらいの修行。まあファンタジーとして聞く分には面白いと思い、一応唱えてみた!英語と韓国語とスペイン語と中国語の単語が少しでも頭に残りますように…のうぼうあきゃしゃきゃらばやおんありきゃまりぼりそわかっっ!!!

 

奥之院がある捨身ヶ嶽を望める遥拝所があったりしてなかなか面白いお寺です。

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ちなみに捨身ヶ嶽とは

空海弘法大師)が7歳の時に倭斬濃山(わしのやま)(現、我拝師山)に登り、「仏門に入って多く人と衆生を救いたいのです。私の願いが叶うなら釈迦如来様、お姿を現して下さい。もし、願いが叶わないのなら私の命を仏に供養します」と願い、山の断崖から谷へと飛び降りた。すると、落下する空海の前に釈迦如来と天女が現れて抱きとめ、「一生成仏」と宣し、彼の願いが成就された。感激した空海は、釈迦如来が現われた山を「我拝師山」名づけ、その山に出釈迦寺を建立し、釈迦如来の尊像を刻んで本尊としたという。-Wikipedia

とのこと。上の遥拝所にある石碑には身を投げる空海とそれを救う釈迦如来と天女の図が描かれているらしい。うーん…右上にかすかに幼少時の空海っぽい顔が見える…かな??

 

納経所に行くと「捨身ヶ嶽まで送迎シャトルバス有」の看板が…納経所の女性に「シャトルバス、もうないですよね…?」と聞くと「今日は月に一度のお勤めの日なので無料の送迎バスが出てるんです。お勤めは6時半からなので今からでも大丈夫ですよ」とのこと…マジか!!捨身ヶ嶽、興味はあったけど距離的に遠いし無理だなと思っていたのだ。月に一度のお勤めの日に当たるなんてこれはもう「行けよ」って事だろうと理解。今夜の宿「ウェルかめ」に電話して遅くなる旨を伝え、シャトルバスに乗り込んだ!

 

捨身ヶ嶽で夢のようなお勤め

出釈迦寺を出発したシャトルバス。まるでジェットコースターの始まりような急勾配の坂をぐんぐん上って行く。車に乗ってるだけなのに、後ろに引っ張られるGがすごい…

 

シャトルバスでご一緒したご夫婦(近所の方で毎月お勤めに参加されているらしい)が、途中の手水場で水を汲んでいくというので、私も車を降りてご一緒することに。

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上ってきた坂…これは徒歩だとめちゃめちゃキツイだろうな~!

 

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手水場。私も空いてるペットボトルに入れて飲んでみました…が、やっぱり味が分からず(´・ω・`) 舌がなぁ…

 

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手水場にあった釈迦如来像。捨身ヶ嶽まではまだまだ坂を上ります。

 

5時20分、出釈迦寺奥之院「捨身ヶ嶽」に到着!

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山のてっぺんだ!カラフルな旗もあって、なんだかチベットの山奥の寺院にでも来たような不思議な雰囲気。

 

ちょうど夕暮れ時ということもあり、捨身ヶ嶽から見る景色は息をのむ美しさだった。

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実物はもっときれいなのに、それを再現できる撮影の腕がなく悔しい限り。そして何枚も同じ写真を撮ってしまう…でも本当に綺麗だった。

 

お勤めは6時半からなので、お寺をいろいろと見学。まずは空海が7歳の時に飛び降りたという岩場への入り口。

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ここからずっと登って行くらしい…その先は恐ろしい光景が広がっているという。お勤めに毎月来られる方も「行ったことある」という人は半分くらいでした。興味ある人は↓の方のブログを見てみてください。見てるだけでお尻の穴がキュッとなります…


岩の中に祀られている岩倉大師

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このお祈りをされてる方は、なんと毎日捨身ヶ嶽まで走って登られているそうです!あの心臓破りの坂を…すごい。お勤めには参加されず、本堂と、上の岩場の入り口と、この岩倉大師の前でお経を読まれて(全部暗記)また走って帰って行きました…尊敬。

 

お勤め前に食事が出るというので、本堂奥のお台所に入って晩ごはんを頂きました!

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お代は自由とのこと、一応500円入れました。手作りのお野菜いっぱいのごはんで、胃も心も満たされた~!

 

そして6時半、お勤めが始まります。毎月来てる人がほとんどらしく和やかな雰囲気!

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皆さんこの「捨身ヶ嶽」の白衣を着てます。飛び降りる幼い空海の髪型がねずみ男みたいになってて可愛い! 欲しかったけど荷物増やしたくなくて諦めた…

 

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お勤め前の写真。護摩焚き後の和尚さんのお話もとても面白かったです。近くに住んでたら毎月行っちゃうかも。ってか、和む!マジで。

 

ハートウォーミング宿「ウェルかめ」

この日は色々あり過ぎて…さすがにもう宿に帰って寝るだけ、と思ってたけどまだまだ書くことがあるので、読みたい人だけ読んでね(もうほとんど自己満…記録のためです)。

 

お勤め終了後、シャトルバスで出釈迦寺まで送ってもらい、そこから善通寺駅まで1時間ほど歩くつもりだったが、お勤めをご一緒したご夫婦(一緒に水を汲んだ)が「夜は危ないから送ってあげる」とおっしゃって、これもある意味お接待かと思いありがたく承諾しました。確かに真っ暗だったし、人通り少ない道はさすがに危ないかも、というのもあった。

 

結局、ご夫婦に丸亀駅まで送っていただき(ちなみにこちらのご夫婦も区切り打ちでお遍路をされているらしく、44番大宝寺の納経所でやはり嫌な思いをしたそう。若い女性がスマホをいじりながら対応したらしいです…大宝寺さん…)丸亀駅近くで「ゲストハウス・ウェルかめ」を探していると、前から歩いてきた男性が「泉さん?」と声をかけてきた。それがウェルかめのオーナー、中嶋さんだった。

 

ウェルかめは丸亀駅からすぐ(徒歩1分)、できたばかりで新しく、水回りもトイレもお部屋も綺麗に整頓・掃除されている気持ちのいいゲストハウスだった。共用スペースに入ると台湾の女の子や日本人の年配女性などが和やかにくつろいでおり「わー!お遍路さんだー!」と歓迎(?)してくれた。

 

フレンドリーな雰囲気に安心しながら荷物を解いていると、中嶋さんが「近くの銭湯まで案内してあげる」というので、お風呂の準備をしてついて行く。途中「丸亀に来たなら骨付鶏を食べないと!お風呂上りにここの居酒屋で食べるといいよ。初めてだから若鶏がオススメ、次に来たら親鶏を食べるといい」と教えてもらい、銭湯帰りに寄ってみることに。

 

お風呂上りの濡れた髪にバスタオルを巻いた女が一人、サラリーマンでにぎわう居酒屋に入る…ええい、知ったことか!私の目的は骨付鶏をビールと食べることなんじゃい!!と勇気を出して居酒屋に入る。と、さきほど銭湯に行く途中にすれ違い、中嶋さんと親しげに会話していた若者がカウンターに座っていた。「あ、さきほどは…」ということで隣に座ることに。話し相手ができて助かった!

 

生ビール、カンパチの刺身と骨付鶏を注文する。若者は東京から「瀬戸内芸術祭」を見に来ており、前日ウェルかめに泊まったが今日は女性専用になるということで、ウェルかめの庭でテント宿泊するとのことだった。宿泊客が女性だけって偶然じゃなかったのね!「なんか…ごめんね」と言いながらビール片手にカンパチをつまむ…

うっま!!!( ゚Д゚)

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食べかけのカンパチ刺身。四国で食べた刺身はどこも美味しかったけど、このお店は特に美味しいと思う。

 

そして丸亀と言えばー!の骨付鶏・若!!

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このこぼれ出た肉汁よ…ありがとう、鶏さん!功徳を積んでくれて(食べられて)ありがとう!!!

 

心もお腹も満足し、最後に若者とFacebook交換をする。と、浮かび上がる共通の友人…なんと私がバルセロナで数回会ったことのある日本人の男の子だった!びっくり!!世間は狭いなぁ~…

 

まとめ

はぁーーーーー長かった。まだ読んでる人いるかなぁ?いたらコメント欄に「南無大師遍照金剛!」って書いてください…励みになります。それを励みにあと5日(高野山入れると6日)分頑張ります!!南無大師ください♡(*´▽`*)

 

これから歩き遍路に出られる方のための注意点

  1. 68番69番のお寺の裏山から見える「銭形砂絵」を見たい方、69番本堂奥に伸びる階段を上ってアスファルトの舗装路に出たら、左です!目印が何もないから迷いがちだと思うけど、右行ったら変な方に行っちゃうよー。
  2. 70番本山寺の有名な五重塔、平成30年(2018年)夏頃まで修復中!だそうです。私が行ったとき(2016年10月)はカバーがかかって全然見れませんでした…でもその後、善通寺とか志度寺でも五重塔見れるから、まぁ…ドンマイ!!
  3. 71番弥谷寺は見るところがけっこうあるので、少し時間を取っておくといいかも。山門をくぐってからも階段がいっぱいなので、御覚悟あれ。山門近くの俳句茶屋は「あめゆ」で有名。野鳥のヤマガラとも遊べちゃう昭和のワンダーランドです。ムツゴロウさん似の三代目ご主人もすごくフレンドリーなのでぜひ立ち寄ってみてください♪
  4. 73番出釈迦寺の奥之院、捨身ヶ嶽では月一でお勤めが行われており、無料で参加できます。(出釈迦寺から無料の送迎バスあり) 捨身ヶ嶽はまるでチベット山奥の寺院のようで(行ったことないけど!)不思議な雰囲気のある素晴らしいお寺なので、機会が合えばぜひ行ってみて下さい。詳細情報は公式HPからどうぞ。

 

以上!団体遍路ツアーガイドのことに関しては、韓国に行ってから別記事でゆっくり書きます…言いたいことが山ほどあるんだよ!ペンは剣よりも強し、目指せ横田増生!!(嘘です、おこがましいです)

 

ではでは☆